モラハラとは?夫婦喧嘩との違いと当てはまる言動・特徴を徹底解説

モラハラとは?夫婦喧嘩との違いと当てはまる言動・特徴を徹底解説

モラハラとは、人格を否定する言葉や長期間の無視で相手を追い詰める行為です。殴る・蹴るがなくても、内閣府が定義する精神的な暴力のひとつです。実際、配偶者から精神的な暴力を受けた人は、身体的な暴力を受けた人より多いという調査結果があります。それでも暴力にあたらない場合もあると考える人の4割超が「夫婦喧嘩の範囲だと思うから」と答えており、受けている側が自分の感覚を疑ってしまうのも無理はありません。 

この記事では、夫婦喧嘩との違い、当てはまる言動、する人の特徴を公的データで整理しました。読み終えるころには、我慢すべきか動くべきかを自分で判断できます。

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者からの暴力の被害経験)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdf
※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者等からの暴力に関する認知度)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-3.pdf

モラハラとは|意味と夫婦喧嘩との違い

モラハラは法律上の用語ではなく、DVの一形態。言葉の中身と、夫婦喧嘩との線引きから確認します。

モラハラの意味とDVの中での位置づけ

モラハラはモラルハラスメントの略で、暴力を使わずに相手の心を傷つける行為です。内閣府はDVを身体的暴力・精神的暴力・経済的暴力などに分類しており、モラハラは精神的暴力にあたります。

傷が残らないため軽く見られがちですが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など刑法上の傷害とみなされる精神障害に至れば、傷害罪の対象になり得ます。

また、配偶者から心理的攻撃を受けた経験がある人は18.0%。女性19.9%・男性15.5%と、男女どちらにも起きています。

※出典:内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは|暴力の形態」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/02.html

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者からの暴力の被害経験)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdf

夫婦喧嘩とモラハラを分ける3つの視点

見分ける手がかりは、言い方の激しさではなく関係の形。喧嘩なら責める側と黙る側が入れ替わりますが、モラハラはいつも同じ側が黙ったまま動きません。

▼夫婦喧嘩とモラハラを分ける3つの視点

②と③が当てはまるなら、単発の言い争いとは別物です。離婚調停で「精神的に虐待する」を動機に挙げた件数は、令和6年に妻から10,948件、夫から3,159件ありました。

※出典:内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/index.html

※出典:最高裁判所「令和6年 司法統計年報 家事編 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別」https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/toukei/toukei-pdf-12253.pdf

「夫婦喧嘩の範囲」と思われやすい理由

自分の感覚を疑ってしまうのは、同じ受け止め方が周囲にも共有されているから。内閣府の調査で「暴力にあたらない場合もある」と答えた人の理由が、次のとおりでした。

▼暴力にあたらない場合があると考える理由(複数回答)

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者等からの暴力に関する認知度)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-3.pdf

モラハラの具体例|夫・妻・交際相手に多い言動

当てはまるかどうかは、具体的な言動と照らし合わせるのが早道。配偶者間と交際中に分けて見ていきます。

夫・妻に多いモラハラの言動

配偶者間の言動は、言葉・行動の制限・お金の3方向に分かれます。下の表は、内閣府が全国2,950人に「夫婦間で行われたら暴力にあたると思うか」を聞いた結果です。多くの人が暴力と考える行為ほど、当てはまったときの深刻度は高くなります。

▼夫婦間で「どんな場合でも暴力にあたる」と答えた人の割合

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者等からの暴力に関する認知度)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-3.pdf

交際中や同棲中に起きやすい言動

結婚前でも同じことが起こります。交際相手から被害を受けた人は18.0%。同棲経験がある人に限れば、同居期間中の被害は77.8%に跳ね上がります。

▼交際中・同棲中に見られる言動

  • デート代や生活費を無理やり払わされる、貯金を勝手に使われる
  • 行き先を細かく確認され、友人との予定を断らされる
  • 家事のやり方を指摘され、できていない点だけを責められる
  • 言い争いのあと、口をきかない状態が何日も続く

交際相手から被害を受けた人は、その後の配偶者からの被害経験も2倍以上でした。「結婚すれば落ち着く」と見送れば、同じ関係を持ち越すことになります。

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(交際相手からの暴力の被害経験)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-5.pdf

モラハラをする人の特徴|外面の良さと正当化の言葉

「あの人がそんなことをするはずがない」と言われるのはよくあること。加害側の傾向を押さえておきましょう。

外での評価が高い人ほど気づかれにくい

モラハラをする人に決まったタイプはありません。内閣府も、加害者は年齢・学歴・職種・年収に関係がなく、人当たりが良く社会的信用もあり、周囲からは想像できないと思われている人もいると記しています。

外での評価が高いほど、打ち明けても信じてもらえず相談相手を失います。「職場では優しいのに」は、家庭内で何も起きていない証拠になりません。

※出典:内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは|暴力の特徴」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/04.html

モラハラをする人に見られる言動の傾向

加害側には、行為を正当化する考え方が見られます。下の調査は加害者向けではありませんが、その考え方がどれだけ共有されているかがわかります。

▼行為を正当化する考え方とその割合(複数回答)

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者等からの暴力に関する認知度)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-3.pdf

モラハラが起きる背景にあるもの

背景は一つに絞れません。内閣府は、暴力を振るう理由はさまざまで、背景には社会に残る男尊女卑の考え方があるといわれると説明しています。

▼背景として指摘されているもの

  • 社会に残る男尊女卑の考え方
  • 「稼いでいる側が上」という家庭内の力関係の思い込み
  • アルコール依存・薬物依存・精神障害などの関連
  • 育った家庭で見た人間関係のパターンの学習

背景を知るのは相手を許すためではなく、自分の努力不足が原因ではないと切り分けるためです。自分のせいだと考え続けても、自責が積み重なるだけで終わります。

※出典:内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは|暴力の特徴」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/04.html

家事の押しつけ|モラハラが見えにくくなる仕組み

先に挙げた「誰のおかげで生活できるんだ」も「家事のやり方を責める」も、舞台は家事という領域。ところが家事は、責められている側ほど反論しにくい事情を抱えています。

家事分担の認識は夫婦で大きくずれている

実際にかけている時間には、はっきりした差があります。総務省の調査によると、1日の家事関連時間は女性3時間24分に対して男性51分。6歳未満の子どもがいる世帯では、妻7時間28分・夫1時間54分と5時間以上開きます。

▼1日あたりの家事関連時間

ところが、20〜40代906名への調査で「家事の5割以上を自分が担っている」と答えた男性は約42%いました。実際の時間とは食い違ったまま、夫の側は自分も半分は担っていると考えているわけです。ここが「やっている」「やっていない」が噛み合わない原因になります。

さらに、献立を考える、日用品の残りを把握するといった作業は名前がついておらず、数としても残りません。この部分が積み上がるほど、負担と認識の差は開きます。

※出典:オイシックス・ラ・大地、マネーフォワードホーム「家事分担に関する意識調査」https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20251120-mf-press-1/

※出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 結果の概要」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf

記録がないと話し合いが水掛け論になる

話し合いが決着しないのは、双方が主観しか持っていないからです。仕事なら時間や成果が数字で残りますが、家事には給与も評価もなく、記憶と印象がぶつかって終わります。示せるものがなければ声の大きいほうが通り、負担している側が黙ることになります。

そこで効くのが、日々の家事を記録に残しておくことです。

家事共有アプリのCAJICOは、掃除や洗濯にあらかじめポイントを設定し、こなすたびに家族へ通知が届きます。

家事の内容もポイントの重みも家庭ごとに設定でき、献立を考える、在庫を把握するといった名前のない作業もそのまま登録可能。

普段なんとなくしていた家事にポイントを付けることで家事量を確認でき、見えなかった家事を家族全員が認識するきっかけになります。

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モラハラかもと思ったら|記録の残し方と相談窓口

当てはまる項目があっても、いきなり大きな決断をする必要はありません。今日からできることと、頼れる窓口を確認しましょう。

なぜ記録を残すのか

記録の目的は、相談や手続きの場で「いつから何が起きているのか」を説明できるようにしておくことです。裁判所は保護命令について、申立人と面接して実情を具体的に伺うとしており、証拠の提出も求められます。

▼記録しておくとよい項目

  • 日付と時間
  • 言われた言葉をそのままの表現で
  • そのときの状況(誰がいたか、何がきっかけか)
  • 家事や生活費など、生活面で起きたこと

書いていなければ、状況が悪化しても「いつから続いているのか」を説明できません。

※出典:裁判所「保護命令(DV事件)」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_23/index.html

相談できる公的な窓口

公的な窓口は無料で、離婚を決めていなくても相談できます。配偶者暴力相談支援センターへの相談件数は令和6年度で127,796件、内閣府のDV相談プラスには45,858件が寄せられました。身の危険を感じるときは、記録を待たずに警察や配偶者暴力相談支援センターへ連絡してください。

▼主な相談窓口

※出典:内閣府男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センターへの相談件数の推移」https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/data/pdf/dv_data_01.pdf

※出典:内閣府男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センター」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html

よくある質問|モラハラに関する3つの疑問

モラハラを受けていることに気づかないことはありますか?

はい、珍しくありません。内閣府は、「いつか変わってくれるのではないか」という思いから被害者だと自覚できなくなる場合があると説明しています。相談しなかった理由でも「自分が受けている行為がDVとは認識していなかったから」が4.9%ありました。

※出典:内閣府男女共同参画局「ドメスティック・バイオレンス(DV)とは|暴力の特徴」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/04.html

モラハラは治りますか?

相手が変わるのを待つ前提は、おすすめできません。内閣府は背景に社会の男尊女卑の考え方の残存があるとしており、短期間で解消するものとは位置づけていないためです。被害を受けた人の40.9%が「別れたいと思ったが、別れなかった」と答えています。

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者からの暴力の被害経験)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdf

モラハラを我慢し続けるとどうなりますか?

心身と子どもの双方に影響が及ぶおそれがあります。配偶者から被害を受けた人の60.0%に生活上の変化があり、「自分に自信がなくなった」26.2%、「生きているのが嫌になった・死にたくなった」15.4%でした。子どもがいる被害者の30.8%は、子どもも配偶者から虐待などの被害を受けたことがあると答えています。 

※出典:内閣府男女共同参画局「令和5年度 男女間における暴力に関する調査(配偶者からの暴力の被害経験)」
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdfl

まとめ|自分の感覚を疑わなくていい

モラハラかどうかは、言動の激しさではなく、関係が一方通行で固定されているかどうかで見分けられます。

▼この記事のまとめ

  • モラハラは精神的暴力にあたり、配偶者からの心理的攻撃の被害経験は18.0%
  • 夫婦喧嘩との違いは、方向・頻度・目的の3つの視点で判断できる
  • 加害側に決まったタイプはなく、外での評価の高さは判断材料にならない
  • 相談しなかった人の52.5%は「相談するほどのことではない」と考えていた
  • 迷う段階でも記録は残せる。公的な窓口は無料で、離婚を決めていなくても相談できる

線引きに迷う背景には、「事実が残っていない」という共通の事情があります。とくに家事や育児は、どちらがどれだけ担っているかが数字にならないまま、お互いの記憶だけがぶつかりがち。放置すれば、負担している側が黙る形で固定されてしまいます。

家事共有アプリのCAJICOは、掃除や洗濯といった家事にポイントを設定し、こなすたびに家族へ通知が届きます。誰がどの家事をどれだけ担っているかもグラフで一目瞭然。主観の言い合いではなく事実をもとに話し合える土台になり、貯まったポイントはご褒美として家族がねぎらうきっかけにもなります。

 深刻な状況にあるなら窓口への相談を最優先にしたうえで、まだ話し合える関係なら、今日の家事を記録するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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